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世界でココだけ!東京にあるパクチー専門店レポート

STORY

 

世界でココだけ!東京にあるパクチー専門店レポート

 

 
 
2016年の「今年の一皿」にも選ばれた「パクチー料理」。パクチーは世界中で使われているハーブで「コリアンダー」とも呼ばれています。独特の強い香りは好みが分かれる人も多いですが、最近日本で人気が急上昇中。今回は、東京にあるパクチー専門店「パクチーハウス東京」にアメリカ人のレイチェルが訪問してきました。
この「パクチーハウス東京」、日本だけでなく世界中から人が集まっているそう。人気の秘密は何なのでしょうか?
 

パクチーハウス東京を発見!

経堂は新宿駅から最短で12分ほどの街で、駅を降りてすぐに活気溢れる農大通り商店街が見つかります。パクチーハウス東京はこの農大通り商店街の中にあります。商店街なかほどにあるビルの2階にお店を発見しました。
 
パクチーハウス東京の外観
パクチーハウス東京の外観。2階の窓ガラスにパクチーのイラストが

パクチーハウス横断幕「No Paxi,No Life」
エレベーターを降りてすぐ目に入る横断幕。「No Paxi,No Life」

エレベーター降りると、目の前には鮮やかな緑のパクチーと「No Paxi,No Life」の文字がプリントされた横断幕が。入る前からどんなパクチー料理に出会えるのかワクワクします。
 

世界でここだけ!のパクチー料理

パクチー天ぷら「パク天」
美味しさも見た目のインパクトも大のパクチー天ぷら「パク天」

さっそくパクチー料理をいただきます。まずは一番の人気メニュー「パク天」と「ヤンパク」から。
「パク天」はパクチーの天ぷら。大量のパクチーが直径15センチほどの円錐形にぎゅっと寄せられたかき揚げのような見た目に、「これが全部パクチーなの?!」とビックリしてしまいます。お箸で天ぷらをくずして、まずはそのままひとくち。さくっと揚がったパクチーの食感と、油といっしょになったことで和らいだ独特の苦味が爽やかです。添えてあるのはフランス産のパクチーと東京都青ヶ島の塩を合わせた「パク塩」。パク塩をかけるとパクチーの香りが一段と増しつつ、甘みも際立ちます。数人でシェアしながら食べると会話も弾みそうです。
 
パクチー天ぷら「パク天」をいただきます!
お箸で「パク天」をくずしながらいただきます
 
パクチーの上に炒めたラム肉をのせた「ヤンパク」
パクチーの上に炒めたラム肉をのせた「ヤンパク」。レモンを絞ると爽やかさが増します

もう一つの定番メニュー「ヤンパク」。お皿にしきつめたパクチーの上に炒めたラム肉がのっています。このパクチーの量がまた大量。ラム肉が主役なのか、パクチーが主役なのか分からなくなるほどです。ラム肉といえば独特な風味がありますが、こちらのラム肉は臭みが全くありませんでした。さらに、パクチーと一緒に食べるこで、口の中がさっぱりするので、次々と食べられます。お好みで、添えてあるレモンを加えるとより爽やかさが増します。
 
トムヤム砂肝
おつまみにぴったりの「トムヤム砂肝」。こちらもパクチーたっぷり

次は、おつまみにぴったりという「トムヤム砂肝」。スライスされた砂肝にタイの人気料理トムヤム・クンのようなすっぱ辛い味付けがついています。少し濃い目の味付けなのでお酒が進みそうです。砂肝の下にはやはりたっぷりのパクチーが。もし、それでもパクチーが食べたい、もっとパクチーまみれを楽しみたい、と思ったら、「追パク」(ついぱく=追加のパクチー)を頼むことができます。
この「追パク」、なんと無料でパクチー単体を追加することができるのです。それだけでもパクチー好きには嬉しいサービスですが、さらにユニークなことに、「追パク」は注文したときの声の大きさに応じてサーブされる量が変わるのです。大きな声でお願いすれば大量のパクチーがもらえるかもしれません。
もっとパクチーが食べたくなったら、思い切って店員さんに「追パクお願いします!」と頼んでみましょう。
 
「追パク」のパクチー
「追パク」のパクチー。お皿から溢れそうなほど!大きな声で頼んでみましょう

パクチーハウス東京のデザートには、もちろんパクチーが使われています。その名も「パク塩のアイス」。「パク天」にも使われていた「パク塩」と、パクチーが練りこまれた濃厚なアイスクリームに、パクチーの花から取れたはちみつとパクチーの種をトッピングした、まさにパクチーだらけのデザートです。
 
パク塩アイスははちみつの甘さ
「パク塩アイス」。パクチーの花から取れたはちみつは華やかな甘さ

すべて手づくりのパクチーアイス
パクチーアイスはお店ですべて手づくりしています

味が想像しにくいデザートですが、ひとくち食べてみると、甘じょっぱくて濃厚なミルクの風味とパクチーの香りが口の中にひろがります。「美味しい!」アメリカ人のレイチェルも思わず声をあげて感動。元々パクチーが大好きなレイチェルですが、「このアイスのためだけにまたここに来たい!」と絶賛していました。
 
甘じょっぱくて濃厚なミルクの風味とパクチーの香りがたまらない
ぜひ食べて欲しいです!と絶賛するレイチェル

パクチー尽くしのメニューは、「パク天」や「ヤンパク」のように定番なものもありますが、季節や新しいアイデアによって新しいものが登場します。オススメをお店の人に聞いてみましょう。
また、パクチーハウス東京では世界中のビールも楽しむことができます。もちろん、材料にパクチーが使われたビールもそろっています。
 
手描きの可愛らしいメニュー
手描きの可愛らしいメニュー ※内容は不定期に変わります​

パクチーが入った世界のビール

パクチーが入った世界のビール。このほかにも様々な世界のビールがあります

 

パクチー料理は日本のオリジナルだった!

パクチーハウス東京の代表、佐谷 恭(さたに きょう)さんは、パクチーハウス東京のパクチー料理は世界のどこにもない、オリジナル料理だと言います。
「パクチーはもともと世界中で使われていますが、ここまで大量のパクチーを使っている料理は他にはないと思います。」
 
「パクチーハウス東京」代表の佐谷 恭さん
「パクチーハウス東京」代表の佐谷 恭さん

佐谷さんがパクチーハウス東京を始めた2007年当時、パクチーを食べられるレストランはとても少なく、国内でパクチーを栽培している農家もほとんどありませんでした。ようやくみつけた一軒の農家さんと取引を始め、店をオープンすることができたそうです。
「ないなら、自分たちで作ろうと思いました。そして、色々な試作をしているなかで『パクチーをたくさんいれると美味しい』ということに気が付いたんです。それまでパクチーが思うように手に入らなかった反動で今のパクチーハウスのメニューが生まれたんです」
今やパクチーは日本のほぼすべての都道府県で栽培され、パクチー料理を扱うレストランも増えました。そして2016年の「今年の一皿」にパクチー料理が選ばれるまでになったのです。
「パクチー料理というと、タイとかベトナムとか東南アジアの料理だと思う人が多いですが、そうじゃないんです。もちろん、ベースに各国料理があるメニューもたくさんあります。ただ、それをうちなりに、パクチーにとことんこだわって再解釈して再構築しています。僕はパクチー料理っていうのは日本の新しい食のジャンルだと思っています」
 
パクチーハウス東京オリジナルのパクチー料理の数々
パクチーハウス東京オリジナルのパクチー料理の数々

世界でココだけでしか食べられないパクチー料理の魅力は、日本だけではなく世界に広まっています。パクチーハウス東京には、日本国内はもちろん、中国や東南アジア、アメリカやヨーロッパなど世界のさまざまな国からお客さんがやってきます。特に、SNSなどでそのインパクト抜群の料理写真が話題になり、お客さんがやってくることも多いそうです。

 

パクチーで人生が変わる?

佐谷さんがパクチーハウス東京をスタートした理由はパクチーだけではありませんでした。
「もちろん、パクチーが好きというのもあります。でもそれだけじゃなくて、僕はコミュニケーションができる場所を作りたかったんです」
たとえば、大声で注文すれば無料でパクチーがもらえる「追パク」。
「誰かが『追パク』すると、他のグループの人も『真似してみようかな』とか、『もっと大きな声で頼んでみようかな』と刺激を受けたりします。それって、お互いが喋っていないけど、実はコミュニケーションなんですよね」
喋るコミュニケーションもあれば、喋らないコミュニケーションもある、と佐谷さんは言います。
 
パクチーで人生が変わる?
「追パク」によってコミュニケーションが生まれます

「僕は仲良しになることを推奨したいわけではないんです。普通の声で『追パク』をする人にもパクチーをお出ししますよ。それに、静かに食事をしていたお客さんが『すごく楽しかった』と言って帰っていくこともあります。ただ、『喋りたいと思ったら喋れる環境』を作りたいと思っています」
時には佐谷さんの想像を超えることも起きました。「追パクお願いします」にメロディを付けて歌いだす人や、隣のテーブルの人と一緒に踊りながら「追パク」をする人も。
「そういうことをやる人に限って、『自分がそんなことをするとは思わなかった』と言ってます。うちでご飯を食べて、隣のテーブルの人と意気投合して会社を作った人もいるんです。僕たちが提供してるのは食事ですけど、それだけが目的じゃないんです。ここがきっかけで、ちょっと人生が変わるような、新しい気付きを得るような、そういう体験を提供できたらと思っているんです」
 
店内の一部の椅子は打楽器「カホン」
店内の一部の椅子は、実は打楽器「カホン」。これを演奏し始める人もいるとか。こんなところもコミュニケーションが生まれる仕掛けが
 
パクチー料理専門店には、佐谷さんのそんな熱い想いが隠されていたのでした。日本に限らず、世界中の人がこの店に集まるわけは、その許容力の広さに安心できるからなのかもしれません。
コミュケーションしたいと思ったらできる空間作りのために、パクチーハウス東京では「追パク」以外にも様々なイベントが開催されています。気になった方は、お店のWEBサイトやFacebookページをチェックしてみてください。

最後に、パクチーハウス東京に興味を持たれた外国人の方にメッセージをお願いしました。

「東京では、浅草が一番有名な観光地かもしれないけど、他にも面白いところがいっぱいあります。ここ経堂にも魅力がたくさん詰まっています。せっかく日本に来たなら、ぜひ浅草から走ってうちまで来てみてください。きっと面白い発見がありますよ!」
浅草からパクチーハウスまでは20km弱。本当に走るのは大変かもしれませんが、途中下車しながら街歩きをしたら、自分だけの東京の楽しみ方が発見できそうです。もちろん、一日の締めくくりのディナーには美味しいパクチー料理を食べながら。
 
パクチーハウス東京の内観
パクチーハウス東京の内観。ところどころにパクチーのモチーフが。探してみるのも楽しいですよ
 

Information

パクチーハウス東京
住所:東京都世田谷区経堂1-25-18 2F
営業時間:18:00~23:00(LO22:00)
休業日:なし(臨時休業はFacebookページで確認できます)
アクセス:小田急線経堂駅より徒歩4分
駅の改札を出て右側にある農大通りを直進して徒歩3~4分、たこ焼き「あほや」向かいの石造りのビルの2F(1Fは居酒屋・ひものや)
http://paxihouse.com/


 

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この記事は2017年01月12日の情報です。 文:Fumiko Wada

 

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