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見て、学んで、体感する。リニューアルした江戸東京博物館で400年の東京を旅する

STORY

 

見て、学んで、体感する - リニューアルした江戸東京博物館で400年の東京を旅する

 

 
 
世界有数の大都市として知られる東京。この街はどのようにして現在の姿へと発展してきたのでしょうか。東京・両国にある江戸東京博物館では、約400年前に始まる武士たちが暮らした江戸時代(1603年~1868年)から現代東京に至るまでの歴史や文化を、実物資料や精巧な再現模型を通して楽しく学ぶことができます。
今回は、大規模改修を経てリニューアルオープンした江戸東京博物館を訪問。新たに登場した大型模型や体験展示、大型映像投影など館内の見どころをご紹介します。

 

目次  

 
 
江戸東京博物館_エントランス

 

1. 両国駅からすぐ!ユニークな建物の江戸東京博物館

江戸東京博物館はJR総武線両国駅、都営大江戸線両国駅からすぐの場所にあります。この特徴的な建物が目印で、隣には両国国技館があり、観光や散策の拠点としても便利な立地です。
 
江戸東京博物館_外観

JR両国駅西口からのアプローチには、真っ赤な鳥居をイメージさせる造作が新設されました。この造作の内側はモニターになっていて、館内へ向かう時は「現代から江戸へと時代をさかのぼる映像」が流れます。逆に帰りの駅へ向かう時は「江戸から現代へと変化する映像」に切り替わります。行きは鳥居をくぐることで江戸時代にタイムスリップしたような、帰りは江戸時代から現代に戻ってきたような感覚になる、面白い仕掛けです。

 

江戸東京博物館_鳥居の造作1

江戸東京博物館_鳥居の造作2

   

2. 実物大の「日本橋」を渡って江戸時代へ

江戸東京博物館は、大きく「常設展」「企画展」「特別展」、図書室の4つで構成されています。今回は見どころ満載の常設展をご紹介します。常設展の入口は6階にあります。展示フロアに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは実物大で再現された日本橋の北側半分です。さらにその右手には、リニューアルで新たに復元された明治時代(1900年頃)に東京・銀座のシンボルとして親しまれた「服部時計店(のちの銀座・和光)」が展示されています。
 
江戸東京博物館_日本橋

日本橋を渡った先には、視界を遮るカーテンのような白いのれんがかかっています。こののれんをくぐり抜けると、そこには江戸時代の世界が広がっています。
 
江戸東京博物館_のれん
 
 

3. 「江戸ゾーン」で武士と庶民の暮らしに溶け込む

常設展は江戸時代を扱う「江戸ゾーン」と明治時代から現在までを辿る「東京ゾーン」で構成されています。
江戸ゾーンでまず目を奪われるのが、当時の日本橋周辺の街並みを再現した縮尺模型です。建物の一軒一軒はもちろん、街を行き交う人々の表情まで表現されていて見応えがあります。ここでは、様々な角度から見てみるのがオススメです。

 

江戸東京博物館_縮尺模型1

江戸東京博物館_縮尺模型2


当時の庶民が暮らしていた、現在のアパートのような共同住宅「長屋」が忠実に再現されています。一棟の長屋を薄い壁で仕切り、複数の世帯が生活していました。広さはわずか約3坪(居間は4.5畳)。この一部屋が、家族の住居であり仕事場でもありました。そして風呂や炊事場、トイレなどは共同で利用されることが一般的だったそうです。写真から見ても分かるようにとても狭いですね。
 
江戸東京博物館_長屋

こちらは現在の学校にあたる「寺子屋」の様子です。江戸時代の日本では寺子屋の普及によって庶民にも学ぶ機会が広がり、識字率は世界的に見ても高い水準だったといわれています。
 
江戸東京博物館_寺子屋

玄関から居間の一部まで実際に入ることができる展示もあるので、実際の長屋の狭さを体感することができます。
 
江戸東京博物館_長屋体験

こちらは江戸時代の本屋である「絵草紙屋(えぞうしや)」を再現した展示です。店頭には、江戸時代に庶民の娯楽として流行した歌舞伎役者や人気力士の姿を描いた色鮮やかな錦絵(多色刷りの木版画)がずらりと並んでいます。錦絵は今でいうブロマイドのような存在で、多くの人々がお目当ての一枚を求めて店を訪れ、賑わいを見せていました。
 
江戸東京博物館_絵草紙屋

蕎麦屋や天ぷら、寿司屋の屋台の複製も展示されています。当時の握り寿司は現在の2~3倍ほどの大きさ(手のひらサイズ)があり、2~3個食べるだけで十分満腹になったといわれています。また当時は冷蔵技術などもなかったので生魚ではなく酢でしめたり漬けにした魚が使われ、赤酢を使用したシャリ(赤っぽいご飯)が特徴でした。
 
江戸東京博物館_寿司屋台1

寿司屋の屋台

江戸東京博物館_寿司屋台2

手のひらサイズの握り寿司

江戸東京博物館_天ぷら

天ぷら屋の屋台

江戸東京博物館_そば

蕎麦屋の屋台


こちらは歌舞伎の芝居小屋・中村座の原寸大の復元模型です。当時の観客席や舞台の構造を間近で見ることができるだけでなく、リニューアル後は内部にも入れるようになりました。天井の低い通路を進むと鳴り物などが展示されていました。

 

江戸東京博物館_中村座1

江戸東京博物館_中村座2

   

4. 「東京ゾーン」で近代都市への歩みをたどる

江戸ゾーンを抜けると、時代は明治以降から現在の東京へと移ります。
目の前に現れるのが、服部時計店の原寸大の大型模型です。高さ26メートルの迫力は圧巻で、1時間ごとに鐘が鳴る演出も楽しめます。時計の文字盤は人の身長ほどの大きさがあり、その精巧な造りに驚かされます。
 
江戸東京博物館_服部時計店

服部時計店の内部には鹿鳴館(日本初の本格的な西洋風の社交場)に関する展示や明治の街並みを再現した銀座煉瓦街の縮尺模型を見ることができます。西洋文化を積極的に取り入れながら近代国家へと変化していった日本の姿を、視覚的に理解できる展示となっています。

 

江戸東京博物館_鹿鳴館

江戸東京博物館_縮尺模型3


今回のリニューアルでは、浅草花屋敷の門も新たに復元されました。日本最古の遊園地として知られる花屋敷ですが、もともとは庭園として始まり、ライオンやゾウなど珍しい動物の展示も行われていたそうです。
 
江戸東京博物館_花やしき

さらに、関東大震災後の復興住宅として建てられた同潤会代官山アパートメントの実物大展示も新たに加わりました。鉄筋コンクリート造りのモダンな住宅には、電気やガス、水道、水洗トイレなど当時最先端の設備が備えられていました。室内には家具も再現されており、昭和初期(1930年頃から1940年頃)の都市生活を身近に感じることができます。

 

江戸東京博物館_同潤会代官山アパートメント1

江戸東京博物館_同潤会代官山アパートメント2


現代コーナーでは、1960年代から2010年代までを10年ごとに紹介しています。高度経済成長期からバブル時代、インターネットの普及、そして現代へと続く東京の変化を、流行した商品や音楽、交通網の発展などを通して振り返ることができます。日本人にとっては懐かしく、外国人にとっては東京という都市が急速に発展していく過程を見ることができる興味深い展示です。
 
江戸東京博物館_現代コーナー1

なかでも印象的だったのは、時代ごとの生活用品やデザインの変化です。1960年代頃に人気だった花柄の炊飯器やポットなどの家電製品が、現在では「レトロかわいい」デザインとして再び注目され、復刻版や類似デザインの商品も販売されています。展示を見ていると、ファッションやデザインの流行は時代を超えて繰り返されるものだと実感しました。
 
江戸東京博物館_現代コーナー2
   
 

5. 見て触れて楽しむ体験展示

リニューアルに伴い、体験展示もパワーアップしました。
天秤棒や「肥桶(こえおけ)」と呼ばれる糞尿を運ぶための桶などを実際に担ぐことができます。江戸時代には、糞尿は農作物を育てるための貴重な肥料として利用されており、農家の人々は金銭や野菜などと交換して手に入れていたそうです。肥桶は約26kgもあり、実際に担いでみるとかなりの重さがあります。当時の人々がこれを担いで街中を行き来していたことを思うと、その重労働ぶりに驚かされます。
 
江戸東京博物館_肥桶

天秤棒を担ぐ文化に馴染みのない外国人や子供もイメージしやすいように、実際の担ぎ方を映像で紹介しているので体験しやすいですね。
 
江戸東京博物館_天秤棒

こちらは大名の駕籠で大名が移動に使った乗り物です。実際に中に入ってみると足元には畳が敷かれ、天井は低いものの思ったより窮屈ではありませんでした。当時の日本人男性の平均身長が155cmほどだったことを考えると快適だったのかもしれません。この駕籠を前後で2人ずつ(またはそれ以上)担いで移動していたことを考えると、こちらも担ぎ手はかなりの重労働だったと想像されます。
 
江戸東京博物館_駕籠

江戸で使われていた小松菜や鰹、下駄などの身の回りの物が、どのようなルートで江戸に運ばれてきたのかを学べる立体模型です。タッチパネルに手をかざすだけで、当時の物流がひと目で分かる面白い展示です。
 
江戸東京博物館_立体模型

1877年頃に輸入されたダルマ自転車も試乗体験ができます。速く進むために前輪が大きく、後輪の少し上のステップに片足をかけ、助走をつけてからサドルにまたがりペダルをこぐスタイルでした。当時のサドルは硬く、ちょっと乗っただけでお尻が痛くなります。
 
江戸東京博物館_ダルマ自転車


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6. 外国人観光客にうれしいサービス

江戸東京博物館では、外国人観光客向けサービスも充実しています。音声ガイドは、リニューアル前は専用機器の貸出でしたが、リニューアル後はスマートフォンを使って手軽に13言語の解説を聴けるようになりました。(無料)
 
江戸東京博物館_音声ガイド

音声ガイドとは別に、随所にタッチパネル式の多言語ガイドも設置されています。
 
江戸東京博物館_多言語タッチパネル

パンフレットは8言語用意されています。
 
江戸東京博物館_多言語パンフレット
  
 

7. 旅の締めくくりに立ち寄りたい

館内の見学を終えたら、ぜひ3階の「江戸東京ひろば」へも足を運んでみてください。約4,000㎡の巨大な天井・柱面を活かした大型映像投影が上映されています。最新のデジタルアートによって、目の前の空間が一瞬にしてダイナミックな歴史の絵巻物へと変貌する様子はまさに圧巻です。上映スケジュールは公式HPをご参照ください。

 

江戸東京博物館_プロジェクションマッピング1

江戸東京博物館_プロジェクションマッピング2

 
江戸東京博物館は、単なる歴史博物館ではありません。江戸時代の城下町から世界有数の大都市・東京へと変化していく約400年の物語を、実物大模型や体験型展示を通して体感できる、まるで歴史のテーマパークのようでした。
リニューアルによって大型模型や映像演出、体験展示がさらに充実し、歴史に詳しくない人でも楽しみながら学べる空間へと生まれ変わりました。特に日本橋や服部時計店、中村座などの実物大模型は、まるで当時の街へタイムスリップしたような気分を味わえます。両国を訪れる際は、ぜひ江戸東京博物館にも足を運んでみてください。東京という街のルーツを知ることで、街歩きがもっと面白くなるはずですよ!
 

Information

東京都江戸東京博物館
住所:東京都墨田区横網1-4-1 (MAP)
開館時間:9:30~17:30、土曜日9:30~19:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜(月曜が祝日の場合はその翌日)、年末年始
料金:大人800円、大学生480円、高校生300円、中学生以下無料、65歳以上400円
アクセス:JR総武線両国駅西口から徒歩3分、都営地下鉄大江戸線両国駅から徒歩1分
公式サイト:https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

※この記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。
※情報は変更される場合もありますので、お出かけ前に事前に公式サイト等ご確認ください。

 

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この記事は2026年07月10日の情報です。 文:DiGJAPAN! 編集部

 

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