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小さな豆で鬼を追い払う!?季節を重んじる日本ならではの年中行事「節分」

STORY

 

小さな豆で鬼を追い払う!?
季節を重んじる日本ならではの年中行事「節分」

 

 
 
2月3日は節分。日本の暦上「立春」の前の日で、春を迎える年中行事として、日本ではおなじみの行事。
この行事、外国人からみたらどのように見えているのでしょうか?DiGJAPAN! 外国人ライターの目線での「節分」と日本文化をご紹介します。

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2月は、日本ではいよいよ寒くなり本格的な冬を迎えると同時に、梅の花が咲いたり、早咲きの桜「河津桜」が見頃を迎えたり、春を迎える準備期間も同時に迎えます。
一年で最も寒い月・2月ですが、幸いなことに、日本で楽しみな年中行事・イベントがいくつかあります。そのなかで私が一番気に入っているのが「節分」です。豆を投げたり巨大な太巻きを食べたりするところが、とても興味深いです。
 
Setsubun soybeans and mask

日本では、旧暦上で、年に何度か季節が変わる日があるのですが、その前の日を「節分」といいます。なかでも、冬から春に変わる時期のことを「節分」と呼ぶことが今は一般的です。節分に行う行動は、鬼(悪魔)を追い払い、その年の幸運と健康を呼び込むという意味合いがあり、新年を迎える儀式のような雰囲気があります。節分の行事のなかでも「鬼は外!福は内!」と言いながら、鬼の格好をした人に向けて煎った大豆を投げつける「豆まき」は、一番よく知られている習慣です。
 
Setsubun celebration mamemaki

節分は、普段2月3日に開催されますが、年によって2日(2021年のように)や4日に開催されることもあります。

日本のほかの祝日やお祭りに比べたら、海外に住む方々や日本に住んで間もない方には、あまり知られていないかもしれません。節分は、日本の今のカレンダー上では、祝日ではないですし、私も以前は全く知りませんでした。でも今は、私にとってはとても好きな日本の年中行事のひとつで、とても興味深いと思っています。
「節分」は、具体的に何をするのでしょうか。節分をまだよく知らない海外のみなさんや、日本文化をもっと知りたいみなさんに、詳しく紹介していきます。
 

豆まきで鬼を払う

Setsubun beans

節分の習慣は地域や家庭によって大きく異なるそうです。日本は南北に長い土地で、地域によってさまざまな文化があり、そこも日本にすんで日本旅行をするなかで、楽しみのひとつです。
豆まきのやり方も、様々なスタイルがあります。ある家庭では、家族の誰か(家庭によりますが、父親がやることが多いとも聞きました)が鬼の格好をして、「鬼は外、福は内」と叫びながら、家族全員が煎った大豆(上記写真)を投げます。煎り大豆でなく、殻付きピーナツで豆まきをするところもあるようです。はじめて豆まきをみたとき、わたしは、鬼(悪魔)を払うのが、小さな豆であることが、とてもユニークだと感じました。

豆まきのあとは、豆を数えて自分の年齢と同じ数を食べ健康を祈願するそうです。または、家庭や地域によっては、来年の幸運を呼び込むために、年齢の数にプラス1歳分で、1粒多く食べる習慣もあるそうです。残った豆は、鬼を追い払うために玄関の外に撒くこともあるそうです。豆は家の中を清め、魔を追い払う意味があるそうです。
 
Mamemaki celebrations with Oni

豆まきは家庭の中だけではなく、公開イベントとしても神社やお寺などでも行われます。鬼が登場してみんなで豆を投げて追い払うことが多いですが、他に神主さんや住職さんが鬼が去るために鬼と問答する「鬼問答」や、七福神など他のキャラクターが登場することもあったりします。
 
Setsubun, the Seven Lucky Gods

また、お寺や神社などの大きな豆まき行事では、地域の人を集め、代表者が大きな舞台から豆まきを行い、豆やお菓子、なかにはお金が入った小さな封筒が投げられるような参加者が戦ってキャッチするという習慣もあります。浅草寺や成田山などでは、有名人やお相撲さん、政治家、マスコットキャラクターなども参加して豆まきをすることもあります。また、これも場所によってですが、その年の干支で生まれた人である「年男」や「年女」が参加することもあります。
 
Throwing beans at setsubun

おもしろいバリエーションもいくつかあります。例えば埼玉県嵐山町の鬼鎮神社では鬼が神様のように祀られるので、ここの掛け声は「福はうち、鬼はうち、悪魔そと」です。また京都にいたら、八坂神社の節分は2日間で、芸妓舞妓さんが踊り、豆まきをします。
 
Priest and plum blossoms during setsubun

このような伝統行事の雰囲気を、文章だけで伝えるのは非常に難しいですね。伝統行事「節分」の背景、神主さんや住職さんたちの優雅な動き、春の始まりを示す梅の花。節分行事は、日本でできる最高の体験のひとつです。
 

節分グッズをスーパーやコンビニで探す

2月の節分までの数週間は、お店やスーパー、コンビニなどで節分をテーマにしたグッズを探すのがとても楽しいです。この季節には、どの店にも、目立つところに節分コーナーがあります。
 
Setsubun corner in supermarket

節分セットには、煎り豆の袋と、おまけに鬼のお面(鬼の顔が書かれた厚紙。お面として使えます)が入っています。
そして豆のパッケージも様々。和風のデザインから子供向けのかわいい絵の入ったデザインまでいろいろあります。スーパーをじっくり探せば、豆のほかに、節分や鬼をテーマにしたアイテムがありますよ。この時期に私はいつも何が登場するか探すのが楽しいです。
 

Setsubun beans traditional design

Setsubun beans kids design

 

鬼が持つ金棒になぞらえたヒレカツや金棒ポップコーンを発見!
 

Kanabo Hirekatsu

Kanabo pop corn

 

私の近所のお店では、こんな鬼さんも見つけました。かわいい鬼のシュークリームや、鬼の顔と寅柄のパンツ(日本の鬼の定番コスチュームです)を再現した巻寿司。どちらもとても凝っています。作ったスタッフさん、すごい!

 

Kanabo Hirekatsu

Kanabo pop corn

 

下記は柊鰯(ひいらぎいわし)といいます。他に比べてあんまり知られていない習慣ですが、節分に柊の小枝と焼いた鰯の頭を門口に挿すことで、とがった葉と鰯のにおいが鬼を追い払うと言われています!

 

Hiiragi Iwashi (holly and sardine head)
 

 

大きな巻き寿司、恵方巻を食べましょう

Ehomaki sushi rolls

節分の日のもう一つの習慣は「恵方巻」を食べることです。恵方巻は七福神を示す7つの材料が入っている太巻きのことです。普段巻きずしは食べやすいサイズに輪切りされていますが、恵方巻は切られていないです。節分の日には、その年の「恵方」を向いて、黙って食べます。地域によっては、笑いながら恵方巻を食べることを推奨しているところもあるそうです。笑いながら口いっぱい大きな太巻きを食べるのは難しそうですが、それはそれでハッピーですね。
 
Advertisement for ehomaki sushi rolls

1月には恵方巻のチラシなどがどこでも見られています。節分の日に、恵方巻が家に届くようにスーパー等で予約することもできます。

 


 

初めて日本に来た時に特に魅了された伝統の一つ「節分」をご紹介しました。もし2月の初めに日本に来ることがあったら、お寺や神社で行われる行事に参加することをおすすめします。日常生活にとけこんだ日本の文化を身近に感じながら、おいしい豆をいただくこともできます。
現代でも、日本の伝統を守り続けている人たちの姿を見るのは、とても素敵なことです。ぜひ日本文化を楽しんでくださいね。


執筆兼翻訳者  Laura
東京在住のイタリア人。ガイドブックに載っていない穴場スポットを探したり写真を撮ること、そして音楽はパンク・ロックが大好きです。お酒を飲んだり、三線を弾くことも好きです。


※こちらの記事は2021年1月に英語で作成した記事を再編集しております。
英語原文

 

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この記事は2024年01月29日の情報です。 文:DiGJAPAN! 編集部

 

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