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実は夏も旬!最新スタイルの日本酒を楽しもう!vol.1 夏酒の選び方と特徴

STORY

 

最新スタイルの日本酒を楽しもう!vol.1
夏酒の選び方と特徴

 

 
 
夏といえばビール!だけじゃない?「夏に飲む日本酒」がブームとなり、ここ数年、多くの酒蔵から「夏酒」として夏向けの日本酒が発売されています。今回は、利き酒師の佐藤真貴子さんに、おすすめの夏酒をレクチャーしていただきました。
 

いま、夏に飲む日本酒がひそかにブームに


夏に飲む日本酒がひそかな人気を集めていることをご存知でしょうか?近年、季節を問わず日本酒の人気が高まってきたことや、技術革新によりデリケートな日本酒の保存や流通に対する制約がなくなったこと、また多くの酒蔵で世代交代が起こり、若い杜氏や蔵人が酒造りを担うようになったことなどから、かつての日本酒のイメージを覆すような新しくてユニークな日本酒が数多く造られるようになりました。そのひとつが、夏に飲む日本酒、いわゆる「夏酒」です。

暑い夏はすっきり・さっぱりした酒が好まれるため、長らく夏と日本酒のイメージが結びつけられることはありませんでしたが、実は夏にぴったり合う日本酒はたくさん造られているんです。普段は「夏といえばビール!」という方も、今年は、キリッと冷えた日本酒で乾杯してみましょう♪

今回は利き酒師の佐藤真貴子さんに、夏の日本酒の楽しみ方を教えていただきました。

利き酒師の佐藤真貴子さん
 

夏酒ってどんなもの?まずは選び方と特徴を知ろう


さて、「夏酒」といっても明確な定義があるわけではないのですが、選び方としてはまず見た目です。季節感のある見た目のものは、まず間違いありません。
 
利き酒師の佐藤真貴子さんが紹介する夏酒の選び方と特徴
まずは難しく考えずに、見た目で選びましょう

選び方というとラベルの情報を見て…というイメージかもしれませんが、多くの蔵元さんは店に並んだ時の見た目までしっかりこだわっていますから、見た目が味のイメージといっても過言ではありませんよ。
ほとんどの夏酒はブルーや透明の瓶で、ラベルも夏らしいイメージや涼やかなモチーフが使われていますから、夏向けだな、とすぐにわかると思います。日本酒のことがよくわからない、という方は、「ジャケ買い」のようなつもりで、まずは見た目で選ぶというのもよい方法だと思います。

ラベルに注目する利き酒師の佐藤真貴子さん
少し詳しくなったら、ラベル情報にも注目してみて

一般的に「夏酒」として売られている日本酒の特徴は大きく分けて2つあります。
 

あっさりした飲み口の生酒


生酒
「生」の表記があるので分かりやすい

一度も加熱殺菌処理をしていない、「生酒」だからこそ味わえる、清涼感あふれるみずみずしい味わいや爽やかな香りは夏にぴったり!酒の中でまだ酵母が生きているので、若々しい味やフルーツのような香り、またシャンパンなどのような発泡感がある場合もあります。日本酒ビギナーの方は、ラベルに「生酒」や「吟生」などと書いてあるものを選べばよいのでわかりやすいですよ。ただし「生原酒」といった風に「原酒」という言葉が入っていると、加水をしていない酒になるので、がっしりした味わいになります。気をつけて見てみてください。

生酒の特徴として、どんどん発酵が進むので開栓してもしなくても味が変わりやすい、という点は注意したいところです。必ず冷蔵保存して、開けてから7日間くらいで飲みきってください。
ただ、味の変化は生酒のよさのひとつでもあります。開栓1日目ではまだ尖って飲みにくかった味が、3日目くらいには丸みが出て美味しく飲める、という場合もありますよ。「何日目がおいしい!」というのを発見すると嬉しいですね。飲みたい日に一番美味しくなるよう前もって開栓しておくこともあります(笑)。

また、生酒の場合、夏に飲むときの適温はおおむね10℃前後といったところでしょうか。それより上だと味が濃くて苦みが出てしまうことがあるかもしれませんし、冷やしすぎると香りや甘みが飛んでしまうことがあります。ちなみにそれを「酒が風邪をひく」と呼んだりしますね。
ただ、これも一概に10℃にしておけば間違いない!とは言えません。10℃前後を基準にして、酒の個性や自分の好みに合わせて調節してみてくださいね。
 

ガツンとした味わいの濃い目の酒


吟醸
こちらには「吟醸」の表記が

もうひとつの夏向きの酒は、個性も味も強い、パンチのある日本酒。冷やしすぎない方がよい生酒と比べると、こちらは酒の味が強いからこそ、しっかり冷やしたほうが美味しく飲めます。

そもそも、日本酒のベースには甘味があり、そこに旨味、苦味、酸味、塩味、そして香りといった要素が混じり合って、その酒独自の味わいを構成しています。温度や器などの環境が変わることで、要素が強調されたり弱まったりして味わいが変わるのです。
味の個性やアルコール度数が強い酒の中には、しっかり冷やすことで、酒の持っている苦味や酸味が弱まり、逆に甘味や旨味が引き立つ、といったものがあります。例えば10~12℃だとアルコールが強くて飲みにくく感じるけれど、オンザロックだと丁度よく旨味が引き立つような酒はまさにこのタイプ。冷凍庫で氷点下まで冷やして、うだるような暑い日にぐっと飲む。日本酒にはそんな楽しみかたもあるんです。
 

日本酒で「遊んでみる」ともっと楽しい!

 

日本酒の遊び方のススメ

日本酒は、そもそも種類がたくさんある上に、飲み方によって味の感じ方が大きく変わるものです。さらに個人の好みもありますから、一概に「これがおいしい」「これはおいしくない」という評価ができるものではないと思っています。
だからこそ、一つの日本酒でおおいに「遊んでみる」ことをおすすめしたいと思います。

例えば、日本酒はソーダ割りにしても美味しいということをご存知でしょうか?「そんなことして、蔵元さんに怒られない?」なんて言われることもありますが、実は蔵元さんが推奨している場合もあるんですよ!
割ったり、混ぜたりの他に、飲む温度を変えてみるのも遊び方のひとつです。普通は温めない生酒をあえて温めてみたり、開栓して何日目がおいしいか調べたり、いろいろな種類のグラスで飲んでみたり…。ぜひ、日本酒で遊んで、自分の好きな飲み方を見つけてみてくださいね。

「最新スタイルの日本酒を楽しもう」シリーズ第二弾、「佐藤さんが教える!おすすめ夏酒5選」の記事はこちら
 

Profile

佐藤 真貴子
大学時代に新潟県の八海醸造の蔵元と接する機会を通じて、造り手の日本酒に対する想いの強さに共感し、日本酒業界に飛び込むことを決意。大学時に利酒師の 資格を取得。現在は地酒とスローフードをテーマとする「日本酒スローフード方舟」の運営会社、株式会社セオリーの広報担当として、さまざまなイベントにて 「地酒と食の魅力を伝える活動」を行っている。

取材協力:方舟 銀座インズ店

※この記事は昭文社コーポレートサイトからの提供記事です。

 

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この記事は2016年08月04日の情報です。 文:DiGJAPAN! 編集部

 

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